みなし相続財産②

未分類


「みなし相続財産」がどんな相続対策に力を発揮し、役に立つのか、わかり易い例をご案内します。

秋田市内で、賃貸経営をしている地主さんがいらっしゃいました。

知名度のある業者さんと契約をして、何棟もアパートを建てました。当然銀行からの借入れもして、ところが当初の計画より入居状況が思わしくなく気苦労が重なり、結果その地主さんは病気で亡くなってしまいました。

1人娘さんが相続することになるのですが、相続財産は広大な土地と現預金6000万、そして数億円の借入れ金です。

借金も立派な相続財産です。負の財産ですが。

思い悩んだ娘さんは相続権を放棄することにしました。幸い連帯保証はしていなかったので、相続放棄することで多額の債務の返済義務を負うことはありません。

(もちろん、そもそも多額の借入金での土地有効活用の是非の問題もあるかもしれませんが)

結果、残ったのはお父さんが加入していた300万円の保険金です。

財産放棄しても300万を受取ることが出来ました。保険金は相続財産ではないからです。

受取人固有の財産、300万は元々受取人である娘さんのものという解釈です。

これが「みなし相続財産」の威力なのです。

でも300万、6000万の銀行預金を保険という「みなし相続財産」に替えていたら、そうです丸々6000万は娘さんのものとして遺すことが出来たのです。

現実的には6000万全てを保険にすることは出来なかったかもしれません、でもその中から一部を保険料として保険加入するとか、家賃の一部でやはり保険加入しておけば資産保全は可能だったはずです。

「みなし相続財産」の意味をら理解し、その効用を享受していれば、娘さんのその後の人生を大きく支えてくれることになったはずです。

もしかしたら、先祖代々の土地も放棄することなく、賃貸経営も引き継ぎ行うことだって出来たはずです。