日本一わかりやすい相続の基本②

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法定相続分と遺留分の違い

これはとても重要ですので良く理解して下さいね。

先ずは法定相続分の復習です。

配偶者は絶対の相続権、順位も付かない。従って相続財産の半分を相続する権利があります。

次に第一順位の子どもです。配偶者が2分の1、あとは子どもが2人いればそれぞれ4分の1ずつの権利です。

次の第二順位は親です。子どもがいない場合は親に相続権があります。この場合は配偶者が3分の2の権利、親は3分の1の権利です(当然親より子どもの方が相続権は多いのがわかりますね)子どもがいない場合は配偶者はより多く財産権があります。

次の第三順位、こんどは兄弟姉妹です。子どももいない、親もすでに亡くなっている場合は、配偶者が4分の3の権利、残り4分の1が兄弟姉妹に権利があります。

以上が法定相続分です。

では遺留分とは?

簡単に説明すると「法定相続人であれば必ず受け取れる財産の権利」です。  「え、そもそも法定相続分はもらえるのでは?」こんな声が聞こえて来そうです。

しかしどうでしょう。資産家の父の遺言に「全財産を最も愛した愛人A子に全て相続する」こんなことが書いてありました。

テレビのサスペンスドラマでもありますが、相続人一同騒然です。「何それ、あり得ない、そんな馬鹿な」

ここで天下の宝刀、遺留分の登場です。「ちょっと待った!全財産を愛人に渡すわけにはいかないぞ」

先ほど言いました。法定相続人が必ず受け取れる財産の権利の発動です。「減殺請求」げんさいと読みます、これにより法定相続分の半分は愛人さんに請求することが出来ます。半分も愛人に?と言う方も多いかもしれませんが、逆に言えば遺言がキチンとあっても半分は取り戻すことが出来ると言うことです。

ではこの減殺請求、誰でも出来るかというと第二順位の親までです。兄弟姉妹は減殺請求することは出来ません。

たまにあるケースです。親から兄弟3人に多額の相続があった。その後間もなく1人亡くなった。当然亡くなって兄弟の配偶者に子どもがいなければ4分の3、兄弟達に4分の1いきます。

兄弟からすれば私達の親の財産を血縁の無い者が4分の3ももらったと思うかもしれません。ただ1人遺った奥さんに親からの財産も含めて遺したければ、遺言に「全財産を妻B子に相続する」とあり、兄弟達には1円もいきません。

じゃあ他の兄弟達が減殺請求をして親父の財産を取り戻そう、ところが第三位の兄弟姉妹には減殺請求の権利はないのです。

逆にお子さんがいない場合は遺言を書いておけば全財産を奥さんに遺せるということです。

まあしかし、遺言というのは相手が兄弟の場合は若干露骨な感じもあるし有効性の有無で揉めるケースもあるので、遺産分割協議のテーブルにも乗らない保険金として遺すという選択肢もあるのではないでしょうか。

written by パンダ