時代とともに、変わる生命保険
保険会社は契約者からお預かりするお金を、運用しています。
大手の生保なら何十兆円という単位の運用資金になります。
ただし、約束した保険金や満期金、解約時に発生する解約返戻金の支払い義務があるため、慎重な運用を行っています。
したがって市中金利は極めて重要になります。
私が保険業界に入った30年前は、保険料を決める予定利率は6%でした。
予定利率、簡単に言うと保険会社が年間どれくらいの利率で運用出来るか?の金利です。保険料を算定する大事な数字です。
予定利率6%という時代は、「一時払養老保険」という商品が人気でした。10年で支払額の倍近く増えて戻ってくる、いわば金融商品です。
ただ、高い利回りを謳って大量に販売した保険会社は、その後のバブル崩壊や低金利時代に突入したことで、ほとんど破綻してしまいました。
現在は円の一時払養老は販売されていません。
そして終身保険でさえほとんどの保険会社が積極的には販売していない状況です。
では何を主力商品としているかと言えば、掛け捨ての医療保険です。
ざっくり言うと、保険料の内訳は危険負担保険料と責任準備金(ほぼ解約返戻金に近い金額です)あとは事業費です。
予定利率の影響を強く受けるのは主に責任準備金になります。積立られている部分です。
なので、積立金の少ない医療保険や掛け捨ての定期保険が各社主力商品になっているわけです。
ちなみに30年前6%だった予定利率は現在どこの保険会社も1%くらいです。
例えば30歳で1000万円の終身保険60歳払込みの総払込みは1100万ほどです。何と保障額を100万円も上回った金額です。
30年前は恐らく550万くらいでした。
払込み保険料の倍位の保険金が買えたのです。
written by パンダ