日本人で良かった②

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日本は四季がはっきりしています。

小学生の頃、昆虫が異常に好きだった私は「にいにい蝉」が鳴き出すと、「あ、もうすぐ楽しみな夏休みが来る」とわくわくし、「ツクツクホウシ」が鳴き出すと、「もう夏休みも終わってしまう」と哀しい気持ちになったのを思い出します。

夏休みよりは短い冬休み、何故か年末の30日31日はテレビで必ずモスラやガメラの怪獣映画が放映されていて、凄く楽しみだったことも思い出します。

大晦日はどこの家でも紅白とゆく年来る年を観るのが定番で、私も眠い眼をこすりながら観ていました。

一夜明けると何故か世界が変わったような雰囲気の元旦、子どもの頃から60歳を超えた今でも、1日で世の中が変わったようなあの不思議感。

昆虫と夏休みが大好きだった子どもの頃は圧倒的に「夏」が好きでした。

毎日虫取りに興じて、アゲハ蝶やクロアゲハ、カラスアゲハの標本も沢山作りました。

両親の親戚がいる新潟県の山の中に夏休みは1週間ほど毎年行って、ミヤマクワガタやミヤマカラスアゲハを追い、ため池でゲンゴロウやタイコウチなどの水生昆虫も盛んにとりました。懐かしい想い出です。

思春期の高校生の頃から、11月中旬くらいの夕焼けが異常に好きになり、日が完全に暮れるまで空を観ていることが今でもあります。

やはり本物の自然の景色はターナーやどんな凄い画家でも見劣りする美しさです。

社会人になってからは、春先の鰹や筍、初夏の枝豆、鮨ネタのシンコ、秋はまた戻り鰹、栗やなかなか口には入りませんが松茸、冬は魚の美味しい季節で寒ぶりやカワハギの刺身、アンコウ鍋など、四季折々、数え上げたらキリがないですよね。

食べることが大好きな私は旬なものをいただくことに至福の喜びを感じるのですが、50歳を過ぎた頃から季節の移り変わりの、正にその季節に触れること自体に幸せを感じようになりました。

顕著なのが「梅雨」です。

以前は毎日鬱陶しい、雨ばかり降って、外出すれば濡れるし、何だか陰気な季節で本当に大嫌いでした。

それが今はどうでしょう、家にいることが若い頃よりも多くなったのもあるのでしょうか、部屋の中から黄色い空?薄い黄色としか表現が思いつきませんが、何とも言えない不思議な微妙な色彩の空色に、しとしと静かな雨音を聴いていると、「ああ、梅雨なんだなぁ〜」と何とも心地よい気分になります。

夕立もいきなり雲行きが怪しくなり、真っ暗になったと思ったら、ゴロゴロピカピカ、ガシャ〜ンと大きな音が鳴り響き、子どもの頃は怖いだけのものでしたが、今は、やはり、「ああ、夕立だ、おお、凄い光ったなぁ〜、何処に落ちた音がした」やはり、自然の凄さと時に感動まで覚えることがあります。

ほぼ東京で育った私は、滅多に降らない雪を空を見上げて、不思議な気分で次から次へと落ちて来る雪を顔に浴びるのが歳を取った今でも好きです。

子どもの時とは違う感覚で、季節の移り変わりを楽しめるようになりました。決して大袈裟ではなく、季節感に触れるだけで、幸せを感じる瞬間さえあります。

私はこの四季折々、刻々と色々なものが変化する日本が本当に大好きで「歳を取ったら南の国で生活を」なんて勿体なすぎて、とても考えられないんです。またまた超個人の主観ですが、本当に日本人で良かったと思います。

byパンダ