保険医学と臨床医学
一般的に医学というのは、いわゆる臨床医学です。どこか具合が悪くて病院へ行き、診察を受けるのが臨床医学です。
保険医学という聞きなれない言葉があります。
簡単に言うと病気になる確率の医学です。もっと言うと保険料を計算するための医学です。
保険の営業を30年近くやって来た者には時々困ったことがあります。
毎年の健康診断で少し悪い数値があるが、特に心配する必要はないと言われている、なのに保険に入ろうとしたら割り増し料金という特別条件が付いた。
担当ドクターが心配はない、治療の必要も無いと言うのに何故保険会社が割増料金を付けるのだ?
お叱りを受けることがある。
これが、臨床医学と保険医学の違いなのです。
臨床的には今すぐ投薬などの必要はない、様子を見て食生活や運動不足に気をつけましょう、ただ保険医学的にはこのままの状態なら、将来特定の病気になる可能性がある、このような判断をする訳です。
これが30年も保険の仕事をしていると、その通りになってしまうことがあるのです。
私の経験上、最もリスクが高いのは血糖値です。その次に血圧でしょうか、死に至らないまでも糖尿病や脳疾患を患う可能性が極めて高くなります。
実際亡くなった方も何人かいらっしゃいます。
逆を言えば、毎年健康診断をきちんとやり、悪い数字があればそこを徹底的にコントロールする。そうすれば特に生活習慣病と言われる病気は事前にかなりの確率で防ぐことが出来ます。
ちなみに脂質系の数値、中性脂肪などは450あっても普通に保険に入れますが、ドクターは投薬を強く勧めます。
どうも保険医学的には多少の内脂肪はそれほどリスクではないようです。
だからと言って太り過ぎはもちろん要注意ですが!
written by パンダ