解約を前提とした保険

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法人が契約者となる生命保険は、返戻率を考慮して途中解約を前提に加入することが一般的でした。

保険料を経費に計上しながら、返戻率の高い解約返戻金を得るという一見おいしい話に、多くの経営者が乗っていました。

ところが以前にも取り上げましたが、2019年3月にいわゆるバレンタインショックと言われる、大きな税制改正以降損金可能な保険料の割合が大きく削られ、税金の繰延べがほとんど出来なくなりました。

元々生命保険は、会社にとって保障として必要であると、国税庁が保険料の費用計上を認めていたのです。

代表者の予期せぬ事態は会社に多大な損失を与えかね無い、それを経済的に補償する生命保険は、費用として当然認められるべきものである。

当たり前の理屈だと思います。

外資系生保を中心に、費用計上割合と解約返戻金のバランスを税法ギリギリに膨らませ、貯蓄性を最大限して企業の財務をある意味保障する保険を売り出していました。

そして国内生保大手が、全額損金で、しかも高い返戻率を確保出来る商品を売り出し、元々規制を掛けようとしていた国税庁が一気に損金不算入に向け動いた訳です。

ただ、代表者の予期せぬ事態は会社に多大な損失を与えるという事実は変わることはありません。

予期せぬ事態ではなく事業承継や相続は必ずやってくるものです。

会社は自社株の買取資金、個人は納税資金対策や後継者問題、解決しなければならない事は沢山あります。

もちろんなるべく税金を払わず資金を内部留保することは企業防衛として大切なことですが、解約前提の保険ではなく、中長期に起きるであろう様々な問題に、対処出来る継続して保障を持つと言う意味も考えていただきたいと思います。