真のリーダーシップとは?
おそらく、リーダーシップとタイトルに付いている書籍が数え切れないほど出ていると思います。
講演会のテーマにも数多くなって、実際に何百回も行われて来たと思われます。
少人数の部下をもつの係長から、何万人の社員を有する大企業の経営者に至るまで、「リーダーシップ」というのは関心のあるキーワードだと思います。
そんなさまざまなリーダーシップの話題から心に残っているお話を1つしたいと思います。
ソニーの厚木工場での話です。
海外から最新の設備を見に視察団が来ることになり、さまざまな準備をしていた時の話です。
以前からトイレの落書きが後をたたず、ついに当時の最高責任者の、井深大氏までが直接注意を呼びかけても、「トイレに落書きはやめましょう」という落書きが出現する有り様。
井深大氏も自分のリーダーシップについて悩んだということです。
そんな時、突然落書きが無くなった、という話です。
では、何故無くなったのでしょうか?
トイレお掃除のおばさんが蒲鉾の板切に「此処は私の神聖なる職場です。落書きはやめて下さい」という文字を書き壁2箇所にかけたそうです。
それ以降、ピタッと落書きは止んだそうです。
私の心に残ったのはその後の井深大氏のコメントです。
「リーダーシップとは上から下への指導力、統率力だと考えていましたが、誤りだとわかったんです。以来私はリーダーシップを影響力と呼ぶようになりました」
著名な権力もある経営者が、社員の落書きもやめさせることが出来なかった。
トイレ掃除のおばさんの職業観が社員の落書きをやめさせた、これをリーダーシップと言わず、何と言うのでしょう。
written by パンダ