生きている理由

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土曜日の朝、定例の朝会の時間までカフェのテラス席でコーヒーを飲んでいました。

秋の風が心地よく、寝不足気味でスッキリしない頭もみるみる冴えて来たようです。

すぐ近くの工事の騒音も全く気にならず、何故かとても気持ちが良いのです。

土曜日の朝の銀座はほとんど人通りがなく、そのせいかなぁ、などと朧げに考えながら、幸せな気分に浸っていました。

こんな都会の中で、しかも工事の騒音を耳にしながら何故なんだろう? 私は段々真剣に考えるようになりました。

自称食通の私は、食べることとお酒、特にワインが好きで気の合った仲間との会食は至福の時です。

ふと、先日観たテレビの番組を思い出しました。

辺境も辺境、2世帯しかない集落に長年住んでいるという人が出演されていました。到底人が普通に生活出来る場所ではない所に何故暮らしているのか?

番組の最後にその答えがあるのですが。

それは、住まいから更に山道を登った山頂に年に数回だけ、雲海が観られるのです。実際の映像も流れましたが、それは素晴らしい眺望です。

その人は年に数回のその雲海を観るために、こんな辺境に1人暮らしをしているのです。

幸福度ランキング世界一の国は、数年前に話題になりました。小さな小さな国、決して経済的には裕福とは言えない国、アジアの小国、ブータンです。

ここではその理由を詳しくは書きませんが、恐らくこの雲海を観る為に辺境に住んでいらっしゃる方の幸福度も日本人の平均に比べたら、かなり高いのではないでしょうか。

土曜日の朝、人影はまばらとはいえ、大都会の真ん中に身を置く私が、心地よく風を感じ、絵も言えぬ気持ちになり幸福感に満たされる。

人の生きる喜び、幸せ、生きる理由とはこんな所にも存在するのだと思いました。

正に「足るを知る」だと思います。

written by パンダ