芸術が時代を変える
まだドイツがベルリンの壁で東西に分かれていた時代。
西側の壁のすぐ近くで、デビットボウイがライブをやったのを覚えているでしょうか?
1987年6月6日の事である。
東側にもスピーカーが向けられ、ライブ開催前からベルリン側にも、若者を中心に5000人もの聴衆が集まり、警官隊も収集することが出来ず多くの逮捕者がでる騒ぎになった。
その僅か2年後の1989年11月9日ベルリンの壁は崩壊する。
壁に登りつるはしで壁を壊している若者の中に、デビットボウイの歌を聴き、心を揺さぶられた者が多数いたことは、容易に想像出来ます。
もちろんデビットボウイのライブの前から、民主化の機運は大きくなっていて、このライブが発端などとは言いませんが、更に民主化の波を高まらせたことは、事実だと思います。
デビットボウイが亡くなった時、ドイツ外務省が弔辞を送りました、
「デビットボウイ、あなたはドイツにとってのヒーローです。壁の崩壊に力を貸してくれてありがとう」
美術の分野で言えば、ピカソのゲルニカほど反戦へのメッセージの込められたものはないでしょう。
ナチスのスペイン空爆への猛烈な批判を、絵画でピカソは成し遂げています。
記憶に新しいのは2015年11月13日のパリの同時多発テロ、死者130人、負傷者300人という大惨事でした。
翌日14日に事故現場の広場に1人の若者がピアノを持ち込み「イマジン」を演奏し始めたのです。
CNNの テレビ中継の際もバックに「イマジン」のピアノ演奏が流れて世界中に放送され大きな話題となりました。
その後有名歌手達が挙って「イマジン」を歌い、平和を訴える代表曲となり、各地で反戦と平和を願うイベントが行われるようになりました。
written by パンダ